日本酒好きのための特別編:「2代目Mr.Sake」が決まりました!

[最終更新日:2022年8月4日]
2017年11月21日、「2代目Mr.Sake最終選考会」が開催されました。このイベントの正式名称は「第69回 日本酒文化を楽しむ会/福島県・末廣酒造の酒とシーフードを楽しみながら2代目Mr.Sake最終選考会」です。今回は世界中にいる日本酒好きの皆さんのために特別編。この宴のもようをお届けします。

「Mr.Sakeコンテスト」とは?

このコンテストの主催は「日本酒文化を楽しむ会」。この会は2012年2月に結成されました。主宰は、酒サムライ(2015年叙任・日本酒造青年協議会)やNPO法人・日本酒伝道師協会塾長など数々の肩書きを持つ杉原英二さん。

「和食が世界無形文化遺産に登録されましたが、日本酒も和食の一つという視点で応援していこうとこの会を結成しました。日本全国には頑張っている蔵元さんがたくさんいらっしゃいますが、そんな蔵元さんと交流を図りながら酒と料理を楽しんでいます。また、日本伝統文化をはじめ、幅広く音楽・映画・美術の分野なども紹介をし、日本酒文化と繋げながら理解を深めていこうというのがこの会の趣旨です」(主宰・杉原英二さん)

その活動の中で、主宰の杉原さんと日本酒をこよなく愛する高野珠美さんが発起人となり始めたのが「Mr.Sakeコンテスト」。今回で2回目です。初代の「2016 Mr.Sake」は橋野元樹さん。五反田にある「SAKE story」というお店の代表です。
「このイベントを通して日本酒に愛着を持ってくれる愛飲家を見つけ、日本酒の伝道師を育てる機会を作りたい」(杉原さん)という思いで展開しているそうです。

「Mr.Sakeコンテスト」最終選考会までの道のり

「Mr.Sake」エントリーは自薦他薦問わず、2017年9月15日〜2017年10月31日で行われました。応募資格は、男性であること(年齢20歳以上/未婚・既婚は不問)。
選考基準は、「日本酒および日本酒文化を誰よりも好きで理解ある男性」「日本酒普及活動に強い意欲がある男性」「毎月の日本酒文化を楽しむ会、並びに酒蔵プレスが主催する平日の夜、及び週末のお昼のイベントに基本的に参加可能なこと」です。

エントリーが集まると事務局にて「一次審査・書類選考」があります。
その後の「二次審査」は一般投票です。「Mr.Sakeコンテスト」公式サイトに公開された候補者のプロフィールを見て、「Mr.Sakeにふさわしい」「応援したい!」というみんなの投票で決まるのです。2017年11月1日〜10日の10日間、より多く投票を獲得した3名(今回は特別に4名)がファイナリストとなりました。

二次審査でも一般からの投票総数は2908票。「2代目Mr.Sake」ファイナリストはこちらの4名でした。二次審査の得票順に紹介します。
「石丸敬将さん(33歳/日本酒歴13年)」「並里直哉さん(29歳/日本酒歴6年)」「ジョン・タウンゼントさん(39歳/日本酒歴6年)」「佐々木達郎さん(60歳/日本酒歴40年)」
予選であるこの時点では誰が「2代目Mr.Sake」に選ばれてもおかしくない、全く分からない状況でした。

開宴!「Mr.Sakeコンテスト」最終選考会

選考会の正式名称は「福島県・末廣酒造の酒とシーフードを楽しみながら2代目 Mr.Sake最終選考会」。2017年11月21日(火)の夜、東京・目黒オイスターバー(貸切)にて開催されました。参加者は定員80名のところ、関係者など含めて100名弱に。最終的にはこの参加者の投票によって2代目Mr.Sakeが選出されるのです。

審査委員長は日本酒スタイリストの島田律子さん。司会は、東京・町田市の紙芝居師「さるびあ亭かーこ」さんです。福島県会津若松市にある末廣酒造の新城猪之吉社長立ち会いの元、ついに始まりました!

挨拶や乾杯の後、二次審査を通過したファイナリスト4名が壇上で最終プレゼンテーションを行います。持ち時間は1人7分間。このスピーチは「日本酒および日本酒文化に対し深い愛情と理解を注ぎ、日本酒文化の普及活動に強い意欲がある」という観点で審査されます。

プレゼンテーションが終わると、各ファイナリストは会場(店内)を巡り、参加者(投票者)に挨拶。おいしい末廣のお酒とシーフードでいい感じに(笑)酔いながらも皆さん、鋭い目で審査していました。

ついに決定!「2代目Mr.Sake」はこの人!

さあ、ついにこの時がきました。「2代目Mr.Sake」投票結果の発表です。実は結果発表まで結構時間がかかっていました。それは、事務局が開票してみたら票が割れて僅差だったために、間違いがないように何度もカウントしていたからとのこと。それほどに激戦だったといえます。その結果、「2代目 Mr.Sake」=グランプリの他に、全員が賞を授与されることとなりました。

グランプリ!「2代目 Mr.Sake」ジョン・タウンゼントさん
準グランプリ(審査員特別賞):並里直哉さん
末廣 野口英世賞:佐々木達郎さん
イケメン フォトジェニック賞:石丸敬将さん

ジョン・タウンゼントさんがグランプリです。「2代目 Mr.Sake」に輝きました! おめでとうございます!

受賞の4名にはそれぞれ表彰状と末廣酒造の美酒が進呈されました。グランプリ受賞のジョンさんには「山田平安堂」の漆の大杯が1年間貸与。そして、銀座の男着物専門店「わノわ」よりオーダーメイドの着物が提供されます。

これからジョン・タウンゼントさんは「日本酒文化を楽しむ会公認2代目 Mr.Sake」として、日本酒イベントで活動していくことになります。いろんなメディア取材にもどんどん取り上げられると思います。皆さん、この受賞者4名を見かけたら優しく声をかけて、日本酒で乾杯してください。

「日本酒文化を楽しむ会」の皆様、最終選考会にご参加の皆様、取材にご協力いただき、ありがとうございました。

※この記事は「アークのブログ」に公開(2017年12月27日)されたものを加筆修正いたしました。

翻訳:町田慈音

日本酒好きのワンダーランド「名酒センター」体験記

[最終更新日:2022年7月26日]
今、日本酒業界は非常に熱い!全国の酒蔵が数えきれないほど様々な美酒を醸しており、日本国内はもちろん、海外でも日本酒ファンが日に日に増えています。日本酒専門店や日本酒イベントも常に盛り上がっていて、まさにブームと言っても過言ではありません。

日本酒は色んな銘柄、色んな飲み方があるというのは大きな魅力。その反面、「何から飲めばいいのか分からない!」という敷居の高さを感じる人もいるでしょう。でもご安心ください! そんなあなたには「飲み歩キスト」である町田慈音さんがとっておきの場所を紹介します。ということで、今回は東京・浜松町にある「名酒センター」を取材してきました。(あるかでぃあ編集部)

この記事に掲載されているのは浜松町店の写真です。
名酒センターは御茶ノ水に移転しました。住所は記事末をご覧ください。

町田慈音(まちだ・じょん)
翻訳家/文筆家/飲み歩キスト
日本の文学とサブカルとお酒(とりわけ日本酒)をこよなく愛する飲兵衛さん。遠慮も謙遜もでき、誰からも愛される外国人。敬語が使えるほど日本語が超堪能…日本文化にも精通しすぎで、「生まれてくる国を間違えたね」と言われること多数のようです。町田さん曰く、「今日もきっと、美味しい日本酒を求めてどこかの素敵な酒場に出没しているはず。出会ったら日本酒で乾杯しましょう!」とのこと。

「名酒センター」はこんな素敵なお店!

「名酒センター」はJR浜松町駅から徒歩で約5分、大通りから一本入った、閑静な裏道にあります(橙色の看板が目印!)。店内に入ると、まず目に飛んでくるのは、壁一面の冷蔵庫にずらーっと並ぶ色とりどりのお酒たち。まるで日本酒の博物館のようです! ただ、もちろんここは何も眺めるだけの場所ではなく、全部有料試飲できます。まさに自分好みの日本酒に出会える、お酒好きにとっての天国です。

「名酒センター」は、全国40以上の酒蔵の協同アンテナショップで、常時120種類以上のお酒が店内に揃っています。いわゆる大手ではなく、中小規模の家族経営の蔵がほとんどで、東京のお店でなかなか巡り合えない銘柄や限定品も多く、ますますワクワクします!


▲お気に入りの「酒」銘柄入りTシャツ。お店の人じゃありませんよ(笑)

「名酒センター」の利用(試飲)システムは、極めてシンプルかつ良心的で、初めてのお客さんには店員さんが丁寧に説明してくれます。冷蔵庫から自分の飲みたいお酒を探し、カウンターに持っていくと店員さんが注いでくれます。お酒の単価によって1杯の値段が決まっており(1杯200~300円のお酒が中心で、さらに高価なものもあります)、飲み比べ用に3種を同時に頼むと100円引きになります。ワンコイン(500円〜)から3種の美酒の飲み比べができるとはなんといってもお得! さっそく選んで、飲んでみましょう。

ただ、魅力的なお酒が120種類も並んでいると、何から飲めばいいか悩む人が多いでしょう。それでは初心者でも失敗しない、お酒の選び方を紹介したいと思います。

日本酒の選び方①:お店の方に聞く
「名酒センター」の店員さんは日本酒の知識も豊富で、「日本酒の美味しさを伝えたい!」という情熱もグッと伝わります。日本酒の様々なタイプ(吟醸酒、大吟醸酒、本醸造など)やスペック(精米歩合、日本酒度、酸度)などについて、分かりやすく説明してくれます。もっと気軽に楽しみたい方は「軽めな感じで」、「甘味のあるお酒」、「しっかりしたもの」とか、ざっくりとしたイメージを伝えるだけで自分に合ったお酒をセレクトしてくれるでしょう。一杯試飲したあとで感想を伝えると、また別のお酒を選んでもらう。こうしてさらにさらに自分好みに日本酒に辿り着くという「旅」が名酒センターの醍醐味の一つではないでしょうか。

日本酒の選び方②:自分で選ぶ(文系編)
お店の方に相談するのは間違いないのですが、たまに冒険して自分で選んでみるのも楽しい。日本酒初心者で「色んな専門用語が分からない!」という方もご心配なく。フィーリングで選んで何も問題ありません!ラベルがかっこいいからとか、名前が面白いからとか、作っている場所に行ったことがあるとか、そういう理由で選んだお酒はもしかして自分の運命のお酒かもしれない。冷蔵庫に並んでいる日本酒は、北から南、東から西という順番に整列されているため、全国を旅する感覚で、それぞれの都道府県のお酒の特徴を楽しむこともできます。

日本酒の選び方③:自分で選ぶ(理系編)
一方、特に理系の方は、各酒瓶に丁寧に書かれているスペックを見て選ぶ楽しみ方もおすすめします。例えば、精米歩合は「お米をどこまで磨いたか」を表している数値ですが、40%~50%台と半分ぐらい磨いている大吟醸や吟醸クラスのお酒は綺麗で澄み渡った味のものが多いのに対して、60%~70%台(比較磨いていない、つまり玄米に近い状態)のお酒はお米のしっかりした旨みを楽しめるでしょう。日本酒度(同じ量の水と比較した場合、日本酒の比重)という数値も表記されており、一般的には日本酒度が高い=辛口/日本酒度が低い(マイナス)=甘口というイメージが強い。実際のところ、米や酵母の種類や造りの違いもあるのでなかなか一概には言えませんが、日本酒度や酸度といった数値も一つの目安にするという手もありますね。

日本酒を味わう

お酒を選んでカウンターに持っていくと、店員さんがそのお酒の背景(作り手の話、造りや原材料、味や香りの特徴の話)を丁寧に話しながら注いてくれます。それで目の前に登場した日本酒はどう飲めばよいのか? ショット感覚で「一気飲み」するのはもちろんNG。日本酒は「酔うため」のお酒ではなく、「味わうため」のお酒。まず香りを嗅ぎ、どんな味がするのだろうと想像しながら一口飲み、飲み込んだ後もその余韻を楽しめるといいでしょう。その後はお好きなつまみ(このあと、おすすめメニューを紹介します!)を合わせて、お酒と料理のマリアージュを堪能するのも粋。

もう一つ忘れてはいけないのは「和らぎ水」の存在。日本酒はビールやワインより度数が高めで、また焼酎とは違って薄めて飲むのは基本しないので「和らぎ水」(いわゆる「チェイサー」用のお水を日本酒好きはこう呼んでいる)を飲むことがおすすめです。体質は人それぞれですが、目安として少なくとも日本酒と同じ量か、お酒が弱い方はその倍飲めばまず悪酔いはしないと言われます。

では、日本酒で乾杯!

さて、「名酒センター」で実際、どんな素敵な日本酒に出会ったのでしょうか? 試飲した中から特に印象的な3種類をピックアップしてご紹介したいと思います!

●森民酒造本家(宮城県仙台市)「小粋なすずめ」純米酒
こちらのお酒は、「名酒センター」スタッフの本田さんセレクト。最近はあまり自己主張しない、ゆるゆると飲んでいつまでも飽きないお酒が好み、と語る本田哲士さん。自分もそういうタイプの酒が好きなので期待が高まる。呑んでみるとまさに「ザ・食中酒」という感じで、すっきりとした飲み口で、おつまみに優しく寄り添ってくる。確かにいつまでも飽きずに飲み続けられそう。

●中谷酒造株式会社(奈良県大和郡山市)「三日踊」特別純米
「名酒センター」の主宰者が蔵とコラボしてプロデュースしたお酒ということで選んでいただきました。日本酒独特の製法「三段仕込み」の1段目と2段目の間を「踊り」といいますが、通常1日の「踊り」を、3日間掛けることでより強い発酵を目指しているというのはこのお酒の特徴です。しっかりとした香りとお米の味わいがまさに口の中で「踊っている」ような感覚で、美味しく頂きました。

●石井酒造(埼玉県幸手市)「健誠 酒酒酒」
おしゃれで印象的なラベルを理由に選んでみたこのお酒は、本田さんの話によると、全国で稀に見る、蔵元も杜氏も20代で、若い作り手さんが生み出した名酒です。「貴醸酒」という、一部水の代わりに日本酒で仕込んだ日本酒がありますが、このお酒はなんとその「貴醸酒」で、さらに日本酒を仕込んだという「再貴醸酒」。色も味わいも日本酒とは思えず、とろ~りとした上品な甘みで、絶品の「デザート日本酒」です。若い作り手がこれからどんな美酒を世の中に送り出すのか非常に楽しみですね。

日本酒が進む「名酒センター」の絶品おつまみ

ここで、名酒センターの絶品をつまみもぜひ紹介したいと思います。日本酒は(単体で楽しむのももちろん悪くないですが)「食中酒」としてより本来の力を発揮します。おつまみ用冷蔵庫に入っているのは、見ているだけで日本酒が飲みたくなるようなアテばかり。この日は、特にお酒が進みそうなイカの塩辛(300円)と燻製豆腐(400円)をチョイス。今回は、すっきりとしていてキレのいい「小粋なすずめ」と塩辛は特に相性が抜群でした。燻製豆腐はまるでスモークチーズのような触感と味わいで、お米の旨みが味わえる「三日踊」と合わせるとお互いを引き立て合います。「名酒センター」のおつまみには、「三種珍味セット」(500円)などもあって、色んなお酒に色んなおつまみを合わせるという飲み方も気軽に楽しめて、お酒好きにはたまらないですね。

「名酒センター」のお客さんの顔と声

色々と飲み比べているうちに、美味しい日本酒との出会いを求めて、お客さんがどんどんお店に入ってくる。若いカップルからお年寄りの方まで、日本酒の人気は老若男女問わず、と改めて感動する。もうしばらくすると、若い外国人4人グループが来店。そういえば、名酒センターでは、壁に貼られている日本酒の解説や各酒瓶にぶら下がっている詳細情報も、すべて丁寧に日本語・英語対訳で書かれている。最初は特に外国からのお客さんを意識していたわけではないが、海外の某口コミサイトにレビューが載ったのを機に海外からの客さんが増え、今は日本語が分からないお客さんでも日本酒を楽しめるお店を目指している、と語る「名酒センター」の竹林ゆうこさん。最近は、毎日少なくても1組は来るという。その日はお休みでお会いできなかったのですが、アメリカ人のスタッフも一人雇われ、店内の英語表記がさらにパワーアップしているもよう。


せっかくなので、その日来店した外国からのお客さんの話を聞いてみることに。4人はアメリカ・ワシントンDC出身で、10日間ほど観光に来ている。全員日本は初めてで、日本の代表的な文化を楽しみたいという理由で、美味しい「SAKE」を求めて名酒センターに辿り着いたという。

まったく先入観無しで初めての日本酒を口にする若い方の感想を聞いていると実に面白い。一人の女性が「まるで水みたいで、お酒の味が全然しないこれが好き!」と言っている一方、別の男性は「ウィスキーとは違うけど、しっかりお酒らしい味わいがするこれが好き」という。「最近、海外で人気の日本酒はこれ!」という記事はネットとかでたまに見かけるけど、やはり日本人でも外国人でも、お酒の好みは十人十色。まず出会って(飲んで)みないと自分の好みがわかるはずもないし、そういう意味で「名酒センター」のように、色んな日本酒を、色んな形で楽しめるお店は本当に貴重な存在。

お燗や熟成酒、幅広く楽しめる日本酒の素晴らしさ!

「名酒センター」では、お燗酒コーナーも設置されており、自分の好きな温度に温めてお酒を楽しめることもできます。「美味しい日本酒は冷たくして飲むもの」というイメージを持っている方も多いですが、実はお燗の世界も実に奥深くて、色んな温度帯で味の変化が楽しめるのは、他のお酒にはない日本酒特有の魅力です! 「ホットワイン」や「ホットビール」とは違って、日本酒の中には温めてこそ本来の美味しさを発揮するというお酒もあります。もちろん、おすすめの温度帯はお酒によって違ったりするのですが、お店の方と相談しつつ、お燗酒も楽しんでみてはいかがでしょうか?

また、日本酒はワインと違って「ヴィンテージ」の概念があまり浸透していなくて、「口開けのフレッシュなものが一番おいしい」と思われている人も多いのですが、実は日本酒の「熟成酒」も絶妙に美味で、ファンが多いのです。「名酒センター」では何種類もの熟成酒が揃っているので、デザート感覚で最後の一杯にはぜひおすすめしたいところです(チョコレートを合わせると粋かも!)。

お土産も忘れずに!

名酒センターで色んなお酒を堪能した最後には「ああ~自分のうちでこんな美味しいお酒が飲めたらいいのになぁ~」と思っていませんか? そんなあなたに朗報です! 名酒センターで試飲できるお酒はほぼ全種類4合瓶(720ml)もしくは1升瓶(1.8L)で売っているので、一番気に入ったお酒を購入したらおうちでも楽しめます! 4合瓶はコンパクトで小さな冷蔵庫でも入るし、1升瓶は開けて1~2週間を掛けて繊細な味の変化を味わえるのも魅力的です。自宅用だけでなく、美味しい日本酒を飲んでみたいというお友達や家族へのプレゼントとしてはいかがでしょうか?

お酒の種類と美味しさ。良心的な値段設定。おつまみの豊富さ。そして何よりもお店の方の、日本酒愛溢れる気さくで丁寧な接客。何から何まで「名酒センター」は日本酒を楽しみたい人のためのワンダーランドのようなお店です。日本酒に少しでも興味を持っていたら、ぜひ名酒センターに足を運んでみてほしい。きっと好きな日本酒に出会えるはず!


■名酒センター 御茶ノ水店
営業日時:※変更の場合があります。
火曜日~金曜日 14:00~22:00(21:45 LO)
土曜日 12:00〜22:00(21:45 LO)
日曜日・祝日 12:00〜19:00(18:45 LO)
定休日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日)
TEL:03-5207-2420
住所:東京都文京区湯島1-2-12ライオンズプラザ御茶ノ水1F
アクセス:JR御茶ノ水駅より徒歩約5分、東京メトロ新御茶ノ水駅より徒歩約7分、JR秋葉原駅より徒歩約10分
URL:http://nihonshu.com/


▲名酒センターのスタッフ・本田哲士さん

文=町田慈音
企画・制作=アーク・コミュニケーションズ

酒器・片口に特化した「かたくち屋」が日本酒好きに人気!

[最終更新日:2022年7月21日]
酒器の中でも片口をメインに扱う「かたくち屋」が最近ネット上で人気なんです。有名百貨店のイベント出展も増え、日本酒好きだけでなく食を愉しむ人達に愛される片口セレクトショップ。陶芸作家との関係を築き上げるところから写真撮影、サイト作成・運営、商品発送まで全て1人でこなす店主の大屋みえさんに話を聞きました。実店舗も人気のかたくち屋の情報は記事末をご覧ください。


▲清岡幸道 作品

片口(かたくち)とは:
口縁の一部に注ぎ口のついた器のこと。口縁部の片側に注ぎ口があることから片口と呼ぶ。一般的な用途は酒の液体をそそぐ注器、液体を計量して注ぐための計器、普通に食材を盛る器として広く普及しました。
日本人は縄文時代(約1万4000年前〜紀元前6世紀)や弥生時代(紀元前6世紀〜3世紀)から片口を使用。片口に対して、両方に注ぎ口がある「諸口(もろくち)」という器もあります。

「盛ったり生けたり注いだり…」絵になる片口

陶器、ガラス食器を扱う店は世の中にたくさんありますが片口を中心に扱う「かたくち屋」は現在、世界でただ1つです。他の酒器やマグカップも扱っていますが、片口にスポットをあてた目の付け所はかなりニッチです。
「ネットショップの食器屋の中でも何か1つに絞りたいと思ったんです。その時にふっと片口が頭に浮かんで。自分で描いてみたら、ちょこんと口が出てるのが可愛くて絵になるし、使い方を考えるのも楽しい器なんですよね」(大屋さん)

最近はSNSを通じて片口の使い方を提案してくれるファンもいるようです。
「片口は料理を盛ってもいいし、注ぐのもお酒だけでなく、めんつゆやドレッシングを入れてもいい。花を生けたりインテリアにもなりますね。先日は抹茶を淹れるという使い方を教えていただきました」(大屋さん)

▲松本かおる

▲橋村大作

▲スエトシヒロ

▲打田翠

▲田澤祐介

▲高田かえ

▲鶴見宗次

▲黒木泰等

全部自分1人で運営するセレクトショップ

ネット通販では写真やデザインのセンス、マメに更新するなど、運営の仕方も大切な要素。かたくち屋サイトのクオリティの高さからサイト制作会社のプロ仕事と思いきや、撮影、デザインの制作・運営などは大屋さんが全てお1人でしているとのこと。もちろん、陶芸作家さん達とのつながりもご自分でされています。
「作家さんを探すところから始め、コンタクトをとるのも失礼にならないよう、とても慎重にしています。最初はちゃんと作品を見て、次は個展に行って本人と会い、その後工房にうかがったりしています。人によっての相性もありますから」(大屋さん)
「かたくち屋」は大屋さんの感性で選び、集めたセレクトショップ。
「自分自身が感動できるような作家さんの作品を扱いたいと思っています。『ただ集めました』みたいなお店は絶対やりたくなかったんですよ」(大屋さん)

百貨店の期間イベントや実店舗で逢いましょう

ここ数年、全国の百貨店に期間限定出店する無店舗のデザインTシャツ屋さんが引っ張りだこ。ある意味、身軽に出店できるのも無店舗の良さです。
センスの良い「かたくち屋」も老舗有名百貨店から声がかかり大人気。2015年6月だけでも伊勢丹とタカシマヤの期間限定イベント出展されました。
「伊勢丹に声をかけてもらったのがきっかけです。まだそんなにたくさんイベント出展しているわけじゃないんです。最近はサイトやSNSで見て百貨店イベントに来てくださるお客様がとても増えました。『前に買った作品がすごく気に入っていて』『ネットで迷ってたので良い機会だから見に来ました』といったお話ができるのが一番嬉しい瞬間ですね」(大屋さん)

▲伊勢丹新宿店「父と楽しむ食卓 〜かたくち屋@ISETAN(2015年6/5〜6/16)

▲JR名古屋タカシマヤ「かたくち屋 〜盛ったり、生けたり、注いだり…展」(2015年6/20〜6/30)

最近は世界中から問合せや注文が来るそうです。大屋みえさんは英語が理解できるのでFacebookのメッセージやFAXでの英語注文も可能です。
そんな人気の「かたくち屋」の実店舗ができました。インターネット通販も便利ですが、片口を手にとって感触を確かめたい人は名古屋の実店舗を訪ねてみましょう。大屋みえさんは英会話もできます。片口の良さを教えてくれますよ。あなたの目と手にしっくりくる愛らしい片口に逢いにきてください。

かたくち屋 ほとり
住所:愛知県名古屋市中区丸の内1-1-8 児玉ビルB1F
TEL:052-204-4520
営業時間:12:00〜18:00
定休日:火・土
※企画展中は別スケジュール

公式サイト→ http://www.katakuchi.jp
Facebookページ→ https://www.facebook.com/katakuchiya?fref=ts


※この記事は、2015年7月31日に「アークのブログ」にて公開されました。

「Tokyo SAKE Collection 2015」イベントレポート

[最終更新日:2022年5月27日]
年々増えている日本酒の試飲会イベントの中でも、名酒センター主催イベント「Tokyo SAKE Collection」は通称「酒コレ」と呼ばれ、毎年開催されています。2015年は、20歳代前半の若者向け講座や外国人向けの英語講座、日本酒好きが集まる試飲会と盛りだくさんの内容でした。

Tokyo SAKE Collection 2015
2015年4月19日(日)
会場:増上寺 慈雲閣(東京・芝公園)
主催:名酒センター
運営:ウイメンズ日本酒会
協力:酒徒名人会

コース①[お酒の楽しみ方講座&利き酒]は日本酒ワールドへの扉

このイベントは4部構成。まずは20〜25歳対象の無料ワークショップ「モテる日本酒講座」からスタートです。講師は学生日本酒協会代表・伊澤優花さん。彼女は生家「勝山酒造」の営業活動にも携わっている現役東大生です。普段お酒を飲まない若者層にもっと日本酒に親しんでもらおうという趣旨の講座。マナーや飲み方について、身近な例を挙げながら分かりやすく伝授してくれました。

グループごとのテイスティングではなごやかな雰囲気です。楽しそうに日本酒を味わう若者の姿がありました。既存の試飲会イベントとは違う初々しさを感じた講座でした。

コース②酒サムライによる[英語でのお酒の楽しみ方講座]

世界中で人気が高まる日本酒。英語でSAKEのおいしさ・楽しみ方を伝える講座の講師は中村悦子さん。彼女は世界に日本酒の魅力を広める酒サムライという称号をもつ英語通訳ガイドです。

参加者は観光客や日本在住の世界各国の皆さん。中村さんのレクチャーを熱心に聞く姿を見て、国際的に日本酒の人気が高まっていることを肌で感じることができました。

コース③④ ファッションショーのような試飲会!?

第3部・第4部で行われた入れ替え制の試飲会はファッションショーの様なオープニングからスタート。ランウェイに見立てた会場中央を蔵元さんが一人ずつ入場します。イベント名の「Collection」にも納得の新鮮な演出です。慣れていないために多少恥ずかしそうだった蔵元さんたち。2度目となった第4部では笑顔で手を振りながら入場していました。

その後、おまちかねの試飲会がスタート。参加者はおちょこを片手に嬉しそうに蔵元さんを回ります。23もの蔵元の銘酒が飲み比べできることと、蔵元さんと直接話しながら試飲できるのがこのイベント最大の魅力。蔵元さんの説明に聞き入り、質問し、話が盛り上がります。

日本酒ファンを広げるイベント

今回の「Tokyo SAKE Collection 2015」=通称・酒コレは通常の日本酒イベントとはひと味違っていました。特に20〜25歳対象の[お酒の楽しみ方講座&利き酒]は他にはない試みで興味深かったですよ。日本では若者の酒離れが進んでいるといわれていますが、学生日本酒協会を中心に若者自身が日本酒のイメージアップしようとがんばっていました。

そして日本酒イベントの魅力といえば造り手の蔵元さんの話を聞きけることです。そして新酒や限定品を含めたたくさんの銘柄と出会えます。全体的にアットホームな雰囲気で蔵元さんと来場者の距離が近いと感じました。

皆さんも日本酒イベントに出かけてみてはいかがでしょう? 日本酒の魅力を知るきっかけになりますよ。そして、もっと深く日本酒の世界にはまると思います。
このイベントは毎年開催されています。その年によってイベント内容は変わりますが日本酒試飲会は必ず行われているので要チェックです。


▲イベントの合間に、各蔵元の代表が増上寺に新酒を奉納してご祈祷を受ける。

※この記事は2015年5月21日に「アークのブログ」にて公開されました。